文学少女だったお母ちゃんの懐本ブログ

ハマった小説、漫画、ゲームについて楽しく語りたいと思います♪

5冊目 【天使猫のいる部屋】

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今回は小説です。
薄井ゆうじ先生の【天使猫のいる部屋】

この作品をキッカケに先生のファンになった‥とは言えるのですが、正直複雑な気持ちではあります。

薄井先生の著書全ては読んでないので(読んでいた当時出版されていたものだけ)現在どんな作品を書かれているか分かりませんが、読んだ作品の読後感は‥複雑でした(..;)


テーマも難しいし、大団円的なラストも無く、かといってバッドエンドというわけでも無い。
おそらく読み手によっては感想もかわる作品ではないでしょうか。


じゃあ、なんで読んでたの?って突っ込まれると困るのですが(笑)


タイトルの『天使猫』は電子猫。
当時『たまごっち』が流行った頃で、餌をあげなかったり世話を放置すると死んでしまうことが問題になった記憶があります。

このお話の『天使猫』もそんな感じでパソコンの中で飼うことが出来る猫です。

ただのゲームとして作ったはずの『天使猫』に『死』をプログラムすることを依頼主に指示される主人公『野見山』。
完成する前に亡くなってしまう依頼主『サム』。

死んだはずの『サム』が生きていると彼の妻から手紙を貰い‥

そこから物語はSFなのか何なのか分からない世界観に突入し、主人公が病んでいくような痛々しさを感じました。


結末は正直申しますと、ハッキリとは覚えてなかったりします(..;)
好きな本は繰り返し何度も読む方なのですが、薄井先生の作品は何度もは読み返せませんでした‥

それなのに何故取り上げたんだと思われるかもしれませんが、ものすごく印象的な読後感だったんです。


個人的には分かりやすいハッピーエンドが大好きな私でしたので、可愛らしいタイトルに惹かれて購入してしまった分、とにかく衝撃的でした。

読んでいる最中に漂う『悲しさ』だったり、『矛盾』だったりという複雑な空気、かといって文章的には暗いわけじゃなく‥ものすごく考えさせられたました。

なんとなく日々目を背けていたり、ごまかしていることを突きつけられているような痛み。
そして、人間の脆さや強さ、儚さ。

当時の私は若く、現在よりずっと生きることに悩んで苦しんでいた時代だったので、そういう複雑さが心の琴線に触れたのだと、今は思います。


平穏な今読んだら、どんな感想を持てるのか‥いつかまた読んでみたいと思います(*^-^*)


今回はなんか暗くなってしまった感が‥
次回は明るい作品で語らせていただきまーす♪
お付き合いありがとうございました\(^o^)/